目黒区の坂道
東京城南地区の一角を占める目黒区内に意外にこれはここは素晴らしいと思える坂の幾つかがあることに一人合点していたりしますが、実際は『江戸百』の中の題材となっている坂道も幾つかあり、良いものは誰が見ても良いものなのだと言う納得が出来るのでしたが目黒川河岸段丘一帯その他地点に絵になる気分がよろしくなるという坂の多い町です。
権之助坂
目黒駅のある高台から大きく迂回する形で南西に下る坂。坂下の目黒新橋へ下るこの往還は、古くから地域の要として賑わいは変わらないようです。以前この坂道途中にあった寄席を覗いた思い出の蘇る人も多いのでは。素朴な心持を呼び起こす名前の古坂でもあるのです。
茶屋坂
目黒駅から、または恵比寿駅から防衛省技術研究所裏を目指します。広い下り坂は新茶屋坂で、旧茶屋坂は道路左手上段の道を二町ばかり東へ行き南方向を下ります。途中に坂の由来を記した標柱が現れます。秋の日、界隈を辿れば「目黒のさんま」に有り付けるかもしれません。
行人坂
品川区上大崎のJR目黒駅前西側広場の銀行脇南西先に深く落ち込むような急坂が現れます。目黒区下目黒一丁目の高台にある古寺大圓寺縁の坂は坂下の目黒川に架かる太鼓橋際まで一気に駆け下る感じです。この風景の下方に目黒雅叙園の壮観が見えます。
どぜむ坂
目黒通りと環八通りの交差する碑文谷四丁目五丁目の境を北東から南西に走る目黒通りの坂。北東方向坂下から上って来る坂は坂上の環八通り碑文谷警察署前を過ぎると柿木坂と名が変わり南西に下って行きます。東急東横線祐天寺駅の北500米程です。
柿の木坂
目黒区を北東方向から南西方向へ走る目黒通りの坂。東急横浜線都立大学駅の北東を走る環七通り交差点角にある碑文谷警察署斜向かいの平町一丁目と柿木坂一丁目を南西に下る大坂で坂上の環八通り先の下り坂は「どぜむ坂」となりJR目黒駅に至ります。
相の坂
国道246号の玉川通りが渋谷の道玄坂上と合流して南西に向かいます。その先の急坂です。一帯は、坂下の菅刈小学校や菅刈公園・西郷山公園など絵心を誘う豊かな風景の中にあり、喧騒が嘘のような、旧山手通り沿いのハイクラスな印象の坂道です。
大坂
青葉台四丁目を西へ下る坂が本来の坂。今、玉川通りと言われる旧厚木街道中、40カ所近くの坂道の中で最も難所だったとの記録があり、今昔の感を強くさせられる坂道。現在は渋谷近くにあるこの坂が若者たちの人気のドライブコースのようです。
上村坂
青葉台一丁目4と5の間を南西坂下の目黒川に向かって下る坂。坂上の尾根を区切る旧山手通りの産業能率大學、エジプトアラブ共和国大使館との付近にあの美空ひばり記念館もある正にセレブの人々の街で一帯の地主だったと聞く上村様も納得の坂道です。
けこぼ坂
上目黒二丁目と中目黒三丁目の境を南西に上る駒沢通りの坂。JR恵比寿駅方向から下ってきた駒沢道は坂下の山手通りから再び上りとなり、坂途中にある目黒区総合庁舎を右手に見ながら南へ上って行く長坂です。坂名の毛子ぼとは赤土の地元言葉の由。
別所坂
山手線恵比寿駅西口を出て正面の駒沢通りに並行する手前の道を南西に行く途中に庚申塚のある観音坂を上ると車道は行き止まり、ここからくださかした下りの目黒川に向かって下る急坂が広重絵の「目黒新富士」の地点で今も十分に好印象の風景です。
目切坂
代官山町へ向かって東へ上る坂。今では望むべくもない坂上からの眺望は、広重絵の名所江戸百景の「目黒元富士」の絵で楽しむばかりとなっています。坂上の掲示坂の由来記によると、ここが古くから地域の人々主の要道だったことが偲ばれます
鉄飛坂
大岡山一丁目と平町との境の坂。東急東横線都立大学駅前を南へ走る通りのバス停中根公園脇の中根小学校を東へ行く道はバス停先を下る寺郷坂下の呑川緑道を越えて上り坂となる地点にあり坂上からの景色と共に突飛な坂名にも由緒を感じさせられました。
不動男坂
不動女坂
天下にその名を知られる目黒不動尊の所在地は、目黒区下目黒3丁目20。アクセスは、東急目黒線不動前駅からかむろ坂を上り石古坂参道を経て不動尊門前へ至る方法や、その他いくつかの辿り方は有るようですが何分有難い行き方でよろしく。
鶯坂
東急目黒線大岡山駅北2町ほど、大岡山2丁目と1丁目の境界を東から西の呑川本流緑道方向へ下る坂。坂下緑道の先は東京工業大学の学び舎が甍を連ね、一帯が大岡山駅南に牙城を構える同校の本拠地として地域のシンボル的場所であることを知りました。
なべころ坂
山手線恵比寿目黒間の西の方、目黒川に並行して西北に走る山手通り(中央環状線)の目黒警察署前近く、目黒歴史資料館と清掃事業所の間を南西に折れた先が目指す坂道です。中目黒南緑地公園を東南に確認しながら上ればなべころ坂緑地公園です。
旧山手通りの坂
目黒区北西部と渋谷区南西部の境を走る旧山手通り、殊に渋谷区南平台から恵比寿代官山方面、目黒区青葉台から中目黒を行く丘上のこの道はいつかも来た道ですが、どの坂道もどの街角や路地の先もそれぞれ豊かな何かを思わせる坂の町です。
松見坂
山手通り(中央環状線)が南北に走る駒場1丁目と大橋2丁目の境を東西に横切る淡島通りの交差点が松見坂下、ここから西へ都立駒場高校の坂上まで上る坂周辺は東京大学など学級の町、この坂上を少し行って北に折れれば京王井の頭線駒場東大前です。
化坂
東急東横線・大井町線の自由が丘駅の北、世田谷区の駒沢公園方向へ行く、自由通りを可なり行った先のバス停八雲高校先を西へ上る坂、坂上は世田谷区で坂下は呑川駒沢支流緑道と言う春の小川跡で一帯の風景の中に潤いを添えています。
稲荷坂
石川町一丁目にある坂。東急目黒線大岡山駅前にある東京工業大学キャンパスの南にある稲荷神社前を北東側大学方向から来て西側坂下の呑川の嶋畑橋方へ下る坂、坂上の石川町上の台公園脇の稲荷社近くを国際交流会館脇の南へ少し行けば中原街道です。
天神坂
左が柿木坂右が八雲、この坂上の向こうが坂下の目黒通りそして東急東横線都立大学駅、坂途中にある北野神社が坂名の起源。めぐろ区民キャンパスそばの落ち着いた街並みの中の坂下近くには氷川坂があります。
寺郷坂
東急東横線都立大学駅前を南へ走るバス通りのバス停中根小学校地点にある中根公園の南側を東西に横切る道の坂。坂上の中根公園を背にして格式のある門構えの屋敷門の住人は地域の名主様の跡か貴重な風景の中の坂。
暗坂
東急東横線自由が丘駅北の熊野神社脇から北の呑川方向へ下る坂、明るく華やかなこの時代となっては薄気味の悪いイメージを感じることは無くなったのでしょう。この日も空は明るく町の様子もサッパリと綺麗でした。
鶯坂
東急目黒線大井町線大岡山駅北の大岡山一二丁目境界を東から西へ下る坂。一帯は近くの東京工業大学キャンパスエリア、坂道南部も坂下西側も大学の区域、坂標記にある鶯の住処だった安住の地は先端学究の坂の町。
茶屋坂
恵比寿駅南の恵比寿ガーデンプレイスアメリカ橋西の目黒三田と中目黒境界にある坂。坂上西側は防衛省研究所、坂下は目黒川中里橋方向で自衛隊幹部学校と目黒清掃工場があります。
半兵衛坂
三宿病院近くを北東から南西に走る野沢通りの坂。世田谷区境界近くの蛇崩川を渡った先を北東から南西に走る野沢通りの坂はその昔、坂名通りにのどかな野良道だったのでしょう。
博労町坂
目黒通りと交差する山手通り交差点を北西に走る目黒通りから西南に分かれる坂。目黒二丁目バス停田道小学校角を西南に折れ坂上の尾根道へうねりながら上る坂道は古くからの主要道だったようです。なお坂下先は目黒川向うの別所坂へ繋がります。
目切り坂
目黒青葉台の上から坂下目黒川に下る坂の風景は目黒元富士として絵師の評価を得たことをしらされます。東急東横線代官山駅南西を行く坂道は鎌倉街道の跡とか、坂下目黒川を渡りその先は小川坂につながります。
謡坂
東急東横線祐天寺駅北の祐天寺一丁目と五本木一丁目及び上目黒三丁目の接点を坂上にして西の蛇崩川支流緑道方向へくだる坂。坂標柱が坂下近くにあるものの坂名のみ、「うたいさか」名称の意は不明に終わったことが残念。
小川坂
東急東横線中目黒駅下を横切る山手通りの西2百米の坂下から南西に上る可なり長い坂。坂上は半兵衛坂のある野沢通りとの合流点にある庚申塚のあるバス停寿福寺前辺り、途中にある坂標記に鎌倉道の跡とありました。
新道坂
恵比寿駅北から南西に走る駒沢通りが代官山近くの高台上を越え中目黒一丁目を東南に下る坂。坂下目黒川へ下る坂は坂名通り改修拡幅の跡を実感できる大坂で目黒川に架かる皀樹橋を渡り山手通り先のけこぼ坂を上り南西に向います。
別所坂
山手線恵比寿駅西口を出て正面の駒沢通りに南西に行く途中に庚申塚のある観音坂を上ると車道は行き止まり、ここからくださかした下りの目黒川に向かって下る急坂が広重絵の「目黒新富士」の地点で今も十分に好印象の風景です。
上村坂
青葉台一丁目4と5の間を目黒川に向かって下る坂。坂上の尾根を区切る旧山手通りの産業能率大學、エジプトアラブ共和国大使館との付近に美空ひばり記念館もあるセレブの人々の街で一帯の地主だったと聞く上村様も納得の坂道です。
兵庫坂
中根二丁目の中根公園の北側から南西方向へ上る坂。本坂付近にある蜀江坂とともに南側台上の中根公園脇を辿る形の坂道はそれぞれ東側を流れる呑川緑道方向を坂下にして西方向へ上る坂で殊に中根公園周辺を坂上とする幾つかの坂の一ヶ所の坂道でした。
しどめ坂
中根二丁目の中根公園の北側から南西方向へ上る坂。本坂付近にある蜀江坂とともに南側台上の中根公園脇を辿る形の坂道はそれぞれ東側を流れる呑川緑道方向を坂下にして西方向へ上る坂で殊に中根公園周辺を坂上とする幾つかの坂の一ヶ所の坂道でした。
谷畑坂
自由が丘二丁目と同三丁目境の坂。東急東横線・大井町線自由が丘駅西側の自由が丘二丁目三丁目の境を北方の自由が丘学園高校近くから南の白山神社東脇を通って九品仏川緑道方向へ下る自由とおしゃれの町の坂で更に南へ行けば世田谷区の田園調布です。
富士見坂
山手線目黒駅北の大崎二丁目十字路の北方目黒一丁目と二丁目を区切る台上から南西に下る坂。坂下は南西から上って来る茶屋坂と合流し坂下の目黒川田道橋を渡って博労坂下へ繋がる坂です。
太鼓坂
八雲三丁目にある坂。東急東横線自由が丘駅北方の目黒通り沿い八雲三丁目バス停角のケニア共和国大使館脇を北の呑川本流緑道へ下る坂。坂途中東側にある宮前小学校を挟んで本坂と並行してしどめ坂が同様に呑川本流緑道に下る区画整理の成った町の坂。
蜀江坂
中根一丁目にある坂。東急東横線都立大学駅前を南へ走るバス通りの中根二丁目バス停南側にある中根公園の北西を南に上る坂は都内に幾つかある同名の坂でその意は其々の坂道の景観が中国の名勝蜀江の風景に擬すことによるとありますがここでは如何。
森光宏明
E-mail: toroihiro@outlook.com
Mobile : 080-5431-1559