品川区の坂道

 

 昔流で言うなら江戸の南にあって東海道第一宿の地と言うことですが、現品川駅所在地は港区に属しています。区内内陸に「江戸見坂」という坂道が現存することからも江戸の南の品川は江戸前の海を東に見ながら北東方向に江戸を望む府外の場所だったようですが、その下町の風情は各所にある活気のある商店街に繋がる坂道の中に感じ取れました。


 

江戸見坂

東急目黒線西小山駅前の坂下から南へ上る坂は小山六丁目のころくの坂の上広場を目指します。坂上からは江戸の景色に替わって現代東京の都心部が鮮やかに広がって見え江戸見の面目を保っています。

 

 

暗闇坂

南品川5丁目と東大井4丁目境を池上通りの走る坂上から坂下東の国道第一京浜へ向かって下る坂。旧仙台藩屋敷があったことから別名仙台坂、地下深くりんかい線が走ります。

 

 

相生坂

東五反田3丁目と4丁目の境を貫く桜田通りが、坂上港区方向から坂下南の山手線五反田駅方向へ下る大坂。坂上からの眺望は国道1号線の威風を感じさせるあっぱれな印象の坂道。

 

 

峰原坂 

東急池上線大崎広小路近く、大崎警察署先の大崎3〜4丁目の境を山手通り南へ折れ、立正大学東脇に沿って南へ延びる峰原通りを上る坂。城南の要である五反田大崎地域は都市再開発の勢いで大きく変わるのでは。

 

 

カナリア坂  

品川区南端にある旗の台五丁目にある坂。東急池上線旗の台駅南の旗の台五丁目の商店街三間通りの途中を南へ上る坂は荏原第五中学校脇までの坂は新しい時代のネーミングかと思われますが本意は不明です。

 

 

ゼームス坂

南品川5丁目と6丁目の境を坂上大井町駅方向から北東へ下るゼームス坂通り。英国人・ジョン・M・ジェイムスが1863年28才~明治41年71才まで居住からの命名です。

 

 

木の芽坂

東大井3丁目と4丁目の境を第一京浜大井消防署脇から西へ、立会小学校前を過ぎ台上西の見晴らし通りへ向かって上る坂。坂上を振り返れば京浜急行高架が眼の高さです。

 

 

石古坂

西五反田4丁目と小山台1丁目の境を坂上のかむろ坂通り方向から坂下の都立林試の森公園の方へ下る坂。その先を北西に行けば「目黒不動尊」脇の三折坂・金毘羅坂となります。

 

 

百反坂  

大崎2丁目と西品川3丁目の境の百反通りを西へ向かって上る長坂。更に行けば西から上って来る峰原坂と合流。いま都市再開発中で街の風景の変わり様が目を見張るばかり。坂の風景もこの勢いの中で変わるのでしょう。

 

 

平和坂 

東急大井町線下神明駅北の西品川にある坂。坂上の豊二丁目にある日本音楽高校西脇に沿って北へ行く道の坂下は戸越銀座通りの東端になっておりその東は三つ木通りとなります。ここを起点として西へ一直線の商店街の距離の長いこと。

 

 

仙台坂 

大井町駅前を東西に横切る区役所通りと交差する池上通りの坂は古くからの地域の主要道だった由で坂途中にある味噌の老舗の店頭にある木製の大桶を見ながらそれを思います。

 

 

犬坂

東大井3丁目7と8の間を国道第一京浜側から路地を西に入り北へ曲がり、台上の元芝公園先西の見晴らし通りへ抜ける途中の閑静な階段坂です。別名を、おへびだんだんとも。

 

 

禿坂

西五反田4丁目を走るかむろ坂通りを坂下の山手通リ側から桐ケ谷道を超え、南西の目黒本町方向に上る長い坂道の途中の坂。坂名由来伝説とともに春の桜見物で人気のある坂道。

 

 

戸越銀座へ下る坂 

西品川から豊町、戸越、平塚の町を通って中原街道まで1.3キロメートルの商店街。この商店街に向かって南の坂から、平和坂、三井坂、八幡坂、宮前坂、清水坂と五つの坂が下っています。

 

 

さいかち坂  

品川区西部を南西に走る幹線中原街道の坂。旗の台2丁目1丁目境界際にある香蘭女学校中等科高等科清水台小学校や昭和病院脇を湾曲しながら北へ下る坂は北方のきりがやさかへつながり五反田に至ります。

 

 

三井坂

東京メトロ浅草線戸越駅北口脇を走る国道第二京浜の東、戸越銀座通りと豊町境を坂上の「かやの木の広場文庫の森」近くから坂下の戸越銀座通りへ下る坂。尚この商店街を坂下とする坂は清水坂、宮前坂、八幡坂、平和坂の五つ。

 

 

御殿山の坂

北品川5丁目と大崎1丁目境界の目黒川に架かる居木橋たもとから、坂上の三ヤンマー大使館近くを行く御殿山通りを上る急坂。旧中原街道旧鎌倉道の跡は今もハイクラスタウン。

 

 

ヘルマン坂

東大井3丁目と6丁目の境を走る見晴らし通りの來福寺近くを南坂下の立会川の月見橋・桜橋方へ下る坂道。ドイツ人、ヘルマン・スプリットゲルベルトが住んだ事からの命名。

 

 

桐ケ谷坂 

西五反田6丁目と8丁目の間を貫く新中原街道と、桐ケ谷通りの交わる荏原金毘羅神社前辺を、荏原1丁目と平塚2丁目の間の首都高目黒線出入口に沿って南西に下る広大な坂道。

 

 

八幡坂 

国道1号線(第二京浜)下を走る都営浅草線戸越駅東の戸越商店街から戸越二丁目坂上に上る坂。坂途中西側にある戸越八幡神社脇を上る坂。一直線上にある商店街の中の坂道と人の流れに活力を感じる坂。

 

 

鏑木坂 

旗の台六丁目を北東に下る長い坂下の先は中原街道です。一帯は昭和大学、昭和大学病院.香蘭女学校ほかの文教地区に近いさわやかな坂の街です。東急目黒線洗足駅の東また東急池上線旗の台駅西北に近い坂道です。 

 



森光宏明

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